目が覚めた。
今日もまた1日が始まる。
今日は朝だけ仕事。さてどんな1日にしよう。
私は朝は老人ホームのキッチンで働いている。
それまで飲食業界というと、高校の時にお正月だけ定食屋さんでバイトしていたくらいで・・・あ、飲食とは違うかもしれないけど大学の時スーパーのレジ打ちもしてたな。。まぁとにかく食事を提供する仕事に就くのはほぼほぼ初めてで、色々びっくりしたことがある。
中でも一番はやはり、廃棄量。
まず作っている過程で、提供した食事に何かあった時に調べられるよう「検食用」として各料理を保存しておくんだけど、例えばロールパン。端っこだけ少し取ってあとは棄ててしまう。
え・・・もったいない。って気持ちと、そもそも食品を棄てるっていうことにあまり慣れていないので、凄く抵抗があった。
この夏から親会社が替わったんだけど、替わってからはもっと棄てることが多くなった。例えばご飯。
ご飯は通常・軟飯・おかゆと3種類を3つの炊飯器で作っているんだけど、毎回めちゃくちゃあまる。通常のご飯は私たちのまかないにまわされるので少しは消費しているけど、それでも毎回少なくともお茶碗2杯分以上は棄てている。おかゆや軟飯にいたってはどんぶり2杯分が手も付けずに毎日毎日棄てられている・・・
あまりにもなので、ごはんにいたっては許可を貰って私は貰って帰ることにしている。
それに加えて食べ残し。今日もいっぱいだなぁと思いながら棄てる毎日。
昔から残さず食べなさいって言われて育ってきた身としてはもの凄く疑問が残るこの廃棄。
ということで今回は「食品ロス」について調べてみた。
さて、そもそも食品ロスとは何か?
それは、本来食べられるのに廃棄される食品のこと。
賞味期限が過ぎてしまった加工食品や、家庭・飲食店での食べ残し、それに形が崩れたりした規格外の加工食品も含まれる。
平成31年の農林水産省の発表によると、日本の食品廃棄は約1,561万トン。
そのうち食品ロスのものは、643万トン。
1,561万トンのうち、食品関連事業者が出したものは772万トン、その内まだ食べられるんじゃないかと考えられる量は352万トン、つまり約45%。
そして一般家庭が出したものは798万トン。そのうちまだ食べれるんじゃないかと考えられる量は291万トン。約36%。
そう、食品廃棄は業者より一般家庭から出ているものの方が多い。
643万トンってイマイチ、ピンと来ないと思うけど、10kgのお米袋に換算すると、6億4,300万袋分。
いや、これも途方に暮れる数すぎてピンと来ないね・・・
でもこのお米袋に換算した量から考えると、世界全体が援助している食料の量の2倍に相当する。
つまり日本は、世界全体が世界全体を援助のために供給している食料の倍、棄てているということ。
これは・・・なんたること・・・
しかも廃棄するにもお金がかかる。
その廃棄コストは年間2兆円にもなるとか。
いや全く何してるんだって話だね・・・。
これには日本独特の価値観が絡んでいる。
私たち日本人って、世界的に見てもかなり食品の品質について厳しい目を持っているし、高い品質を求める傾向があるよね。賞味期限だって世界と比べるととても短い。
「こんなものは食べられない」とか、旅行業界で働いている私は、海外でよくそんな言葉をお客様から聞く。
それに、日本は生ものを好んで食べてきた歴史がある。
刺身に野菜に、最近では取り締まりが厳しくなり中々お目にかかる機会が減ったけど生肉だってそう。
生ものって一番管理が大変だし、食べられる期間が短い。
そうやって生活してきたから、自分たちで自分たちに厳しいルールを設けて、食品ロスを増やしてしまった面は否めない。
そういったことから最近の廃棄量から、ルールの見直しをしようという声が挙がり、見直しが検討され、少しずつ改善に向けての動きがある。
たとえば賞味期限。合理的根拠がなく決められているものが多いのでもう少し緩和しようとか。
でもそれは「こんなに賞味期限が近い商品を販売しているのか?」などイメージダウンが懸念されるので、現実問題として容易なことではないと言われている。
でもこれって私たち消費者の意識を変えていけば、改善していけるものじゃないかな?
私たちがもっと正しい知識を持って、「もったいない」「まだ棄てなくでも使える」など自分で商品を評価し、判断して、って意識を変えていけば食品ロスを減らす大きな力に変えていけると思う。
一番は、買う時に「これはいるかな?使い切れるかな?」ときちんと考えて買うこと。値段に踊らされて、余計に買わないこと。
献立とかある程度考えてからスーパーに行って、必要なものだけ買うっていうのも立派なロス削減に繋がる行動!
そして、賞味期限が過ぎてるからポイ!ではなく、その前にその食品をよく見てみること。まだ大丈夫かなと思ったら、色んな調理方法や料理があるしそれを試してみるのも手。日本人の食べるものはバラエティに富んでいるからこうゆう時、いいよね!
お味噌汁に野菜全部入れて、具沢山お味噌汁もいいし、卵焼きに入れてもいい。カレーに入れてもおいしいかも!
あとは、買ったらすぐ下処理をして冷凍保存するというのも手だよね。しばらく外食が続いてしまってもそれなら問題ない。
というように、一人一人が工夫して、考えて行動すれば確実に減っていくもの。
私はよくスーパーで、見切り品コーナーを見て、あ、これならいけるなと購入して、帰宅したらすぐ下処理をして使うということを最近実施している。
確かに下処理をするのは手間がかかるけど、見切り品だから値段も安いし、その手間も慣れれば苦にならないもの。あとは見切り品には普段手を出さないものもあるので、自分のレパートリーが広がる(笑)
別に見切り品を買うのは恥ずかしいことじゃないし、なんなら食品ロス減らしに貢献した!と胸を張っていいと思う!
(先日小松菜3袋で150円になっていたので歓喜した。すぐ使うものと、残るものは茹でて冷凍してある。さっと使えて便利で楽チン♫)
昨日梨農家の奥さんが、梨の皮できんぴらを作ってて、食べてるタレントがめちゃくちゃ美味しいと絶賛していたので私もやってみようかななんて思ってる。そうゆう普段棄てるものも考えると意外と使えるかも知れない。
私はブロッコリーの芯をよくきんぴらにするけど歯ごたえがあっておいしい!そうゆう発見もある。
世界と比較してみるとこうなる。
数字だけを見ると、日本そんなに多くなくない?なんて思ったりもする。
しかし、日本は自給率が65%しかなく輸入に頼っている国。年間517億ドル分も輸入しているのに、こんなに廃棄してってちょっともったいなくない?って話。
そして1人あたりの年間食品ロスは約50kg。つまり1日に換算すると、136gほど。これはお茶碗1杯分もいかないくらい。
この1日お茶碗1杯分の廃棄を減らすって考えると何だか実践出来そうじゃないかな?
それと、この新型コロナウイルスの影響で使うはずだった食品が使われず廃棄になってしまうということが続出してたよね。
たとえば学校給食用に卸していた農家さんなど。
そういったところから積極的に買うということも食品ロスに繋がる。
テレビで取り上げられたことで、認知度は高まっていると思う。のぞいてみると売り切れのものも多い。
他にも、その日の売れ残りを安く買えたりするサイトもあるので
↑これ見てたまにパン買ってる。
あとは逆に買ったものの全然使ってない食品などを寄付することも出来る。これも立派な食品ロス削減。
というように、出来ることはある!
ご飯を食べれない人が世界中にいる。
飢えで亡くなる人は後を絶たない。
皆が笑顔で過ごせるようになったらいいよね。