目が覚めた。
今日もまた1日が始まる。
今日は休み。さてどんな1日にしよう。
昨日の夜、友達から
『明日から温泉に行きたいんだけど、いまいちピンと来るところを見つけられない!どうしよう』
と連絡が来た。時間は22時を回っていた。
え?明日??笑
とりあえず、おすすめ温泉を送ったら、早速予約が取れたようで、
『めちゃくちゃ素敵な宿だよー!本当にありがとう!』
と、写真付きで今日の夕方に連絡が来た。
す、すごい!その行動力、私も見習おうと思った出来事であった。
私はと言うと、今日は前職の上司と会っていた。
家が近いので、いつも近所の不二家レストランで食事するのが定番になっている。
そして我々は約4時間、お互い言いたい放題喋るのであった。笑
なかなかいい関係だと思う。
そして帰りに図書館へ。
通勤が片道1時間ほど、そしてそのうち45分は電車に揺られていてほぼ座れるので私はその時間を読書の時間に当てている。
つまり1日1時間半、読書の時間が取れるのだ。
これはとてもいい時間で、元々読むのが早い私は今週2冊読破した。
その2冊とも良かったので、今回はそのお話。
1冊目:虚ろな十字架 東野圭吾
11年前、娘を強盗に殺害された中原道正は、当時の担当刑事だった佐山の訪問を受け、今度は離婚した元妻の小夜子までも刺殺されてしまったことを知る。小夜子とは、娘殺害の犯人の蛭川が死刑になることだけを望んで、裁判をともに戦った過去があった。犯人の死刑を望まない被害者家族はいないが、中原も小夜子も、「たとえ犯人が死刑になろうとも娘は戻らない」という虚しい事実に直面したのだった。
離婚した後はお互い連絡し合うこともなかったが、小夜子が離婚後も精力的に行動していたことを、事件の後になって知る。それは、娘の死を乗り越えるためという目的は同じだったが、そのために中原が選んだ道とは正反対であった。小夜子を殺害した犯人は自首してきたが、それも情状酌量となりそうで、とても死刑判決は出そうにもない。しかし孫と、今また娘までも殺された小夜子の母の里江は死刑求刑を願い、中原も元夫として関わって行くことになる。
私の好きな作家の一人、東野圭吾さんの作品で読んだことなかったので読んでみた。
死刑制度というのが1つの題材になっている本作品。死刑制度は世界的に見ると撤廃を求める動きが強いように思う。現に、廃止にしている国も多いし、日本で刑が執行される度に抗議が人権団体や諸国から届いている。
賛成か反対かは人によって大きく意見が分かれると思う。
ただ遥か昔からずっと死刑がある国、日本においてきっとこの先もなくならないんじゃないかなと私は思う。
殺されてしまった側、つまり被害者遺族からしたら犯人を死刑にしてくれ!と思う気持ちはよくわかる。そして加害者家族からしてもいっそのこと…と思うかもしれない。
しかし国が、法が、何よりも尊い『命』を奪っていいものなのか。
そんなところで死刑執行について賛否がわかれているんだと思うけど、この作品に関してはもっと先に進んでどうなんだろうか?と投げかけているように思う。
例えば、上記のあらすじにもあるけど、被害者家族である中原夫婦は、娘を殺されて絶望と悲しみと憎しみの中にいて、それでも『犯人を死刑に!』という思いが支えとなり日々過ごしてきた。いざ死刑が確定したら、今まで『死刑に!』という一種の支えに憎しみや悲しみやすべてのものを向けてきただけにそれが達成されてしまうとじゃあその感情は次にどこに向けていいのかわからなくなっていた。執行されても、その感情が消えることはないし、どうすることも出来ない。ただただ虚しくなるだけだった。
そして、犯人の弁護をしていた弁護人側からの話も興味深かった。
中原夫婦からしたら、なぜこんな奴を弁護して、死刑を回避させようとするのか、ただただ敵としか思えない弁護人。
しかしその弁護人曰く、死刑は犯人から反省や更生の機会を奪ってしまうとのこと。
実際作中では最初は死刑ではなかった。その時まで犯人は、被害者や被害者遺族に対して謝罪の言葉や反省の色を見せていたが、被害者側が控訴して死刑になった途端、
『もうめんどくさい』と言って上告もせず全てを放棄してしまった。
自分の人生が決まってしまったら、もう反省や更生、生きる気力さえも全く放り投げてしまったのである。そんな姿を見て弁護人は、死刑とは全く意味がないと話していたシーンが印象的だった。
この作品では、死刑にしないと気がすまないし、でも死刑がないならないでじゃあどこに気持ちをぶつければいいのかわからない。でも例え死刑が執行されても虚しいだけ、また相手の謝罪の念や更生の機会まで奪ってしまうことに何の意味があるのかというところまで展開されていて、『う〜ん…』と唸ってしまう作品であった。
ストーリー自体は、東野さんらしく、どんどん引き込まれていって少しずつ謎が解けていって、それはそれはもうあっという間に読み終わった。
とても読みやすい文章なので気になった人はぜひ。
この作家さんははじめまして。そして裏表紙のこのあらすじを読んで読もうと決めた。
「恋がいつか必ず終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、(中略)この世で最も美しい友になりましょう」(本文より)
1冊が東野圭吾さんのミステリーなら、もう1冊はこれくらい熱い恋愛ものにしようと思ったのだ。
そして、自分に反映出来るものがあれば反映しようと思って手にとったのだ。
わくわくしながら読みすすめること4ページ目くらい。
なんと!女性同士の恋愛の話だった!!!
調べると中山さんは女性同士の話を書いているものが多いのだとか!
しかしね、やはり同性同士の恋愛って濃いものが多くて、この作品もそれはそれは濃くてそして重くて!読むのが大変…って序盤は思ってたんだけど、段々段々引き込まれていってもう中盤からは一気に読んだ。面白かった。
タイトルにマラケシュと入っている通り、マラケシュ…つまりモロッコや他のヨーロッパを後半からは旅しながら話が進んでいって、文だけなのに目の前にその街の情景が広がり、自分もそこに降り立ったような気持ちになれてとても楽しかった。
特に私は仕事でヨーロッパに行く機会が多かったから、その景色をリアルに目の前に思い浮かべることが出来て、そういう意味でもとても楽しめた一冊だった。
しかしまぁこんなに激しい恋愛、してみたい気もするけど、大変だろうなぁ…
20代の頃はまわりに女性同士の恋愛をする人が何人かいて(その頃私は新宿二丁目に入り浸って遊んでいた)男女や男性同士にはあんまり見られないほどのドロドロ劇をよく聞いたりしたもんだけど、作品の中でもそれはやっぱり展開されていて、女性同士の恋愛って、やっぱり女性は感情が豊かな人が多いし感情的になる人も多いからそうゆう傾向があるのかな、なんて思ったり。
(あとがきには中山さん自ら、こんなに書くのにしんどかった作品はない的な言葉を残していて、たしかに全力が感じられる…と思った)
モロッコは行ったことないから、この話を読んだら行ってみたくなった!
(なんて呑気な感想。笑)
今日新たにまた4冊仕入れたので、読むのが楽しみ!
2020年、あんなにステイホームして時間はたっぷりあったのに意外とそんなに本を読んでなくて年間でたった13冊読んだだけだった。
しかし、今年はすでにもう15冊読んでいる。笑
長い通勤時間も悪いもんじゃないなと思えた瞬間である。
そういえばこの前歩いてたら、目元に黒い何かがぶつかってきて、イテっ!とその黒いものが落ちた先をみたら、てんとう虫だった!
てんとう虫なんて見たのは何年ぶりだろう!
しかも黒い方のてんとう虫なんてさらに久しぶり!!春だ〜!なんて嬉しくなったのであった。
この後近くの葉に乗せたら、新緑にとても映えてとっても綺麗だった。