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Hello!! from Tokyo.

コロナを機に新しい業界に飛び込んだ元旅のプロ。東京一人暮らしのミドサー女子が今日も日常を綴ります。

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Night Train。

土曜日、気持ちがまっすぐ、何しよう。

 

最近の私は猛烈に働いている。

よし、次は月曜日が休みだ。それまで頑張るぞ!と思っても、月曜日の休みが出勤に振替になったり、上司に腹が立ったり、やること多すぎて発狂して叫んだり、かと思えば新しい内容の仕事が出来たり、研修を受けて勉強になったりと何だか色々と目白押しな日々を過ごしている。

 

そして雨のせいもあり、暑さが和らいでいる東京。

(各地で雨の被害が大変なことになっていますね…皆さんの地域は大丈夫でしょうか?)

このまま秋に入ればいいのにという気持ち半分、秋に入ってしまったら一気に1年が終わりに近づいてしまうと無性に焦りを感じる矛盾を感じている。

 

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さて、転職してからというもの、余裕がないため全然本を読めていなかった私。

でも、異動で横浜勤務になってから、電車での移動時間が増えたため、また本を読む余裕が生まれた。

せっかくなら話題の書を読んでみようとネットで調べた結果、今ダントツでおすすめされているこちらを手に取った。

 

『同志少女よ、敵を撃て』

 

本屋でよく見かけていたこの表紙。

なんとなく表紙とタイトルだけで、

「アニメ系…?」と思って嫌煙していたこの作品。

どうゆう話なんだろうとパラパラとめくってみると、ロシア人の女の子が主人公の、ソ連時代の戦争についての話であった。

正直、今まであまり読んだことのないような分野だったので、結構ためらってしばらくその本屋をウロウロしていたけど、いやだからこそ読んでみるべきなんじゃないのか?それにまだまだロシアとウクライナが戦争をしているように、世界中で起こっていることが少しわかるのかもしれない(?)とかまぁとにかくよくもまぁこんなに悩むわねと自分でも思いながらも決断し、購入したのである。

(ちなみに購入の決め手の1つがペーパーバックだったこと。海外の本は基本的にこのタイプが多いので分厚い本でも軽くて持ち運びしやすいので好きなのだが、小説に関しては日本は何故かハードカバーか文庫本という2択が多い気がする)

 

かなり久々に本を読む気がするなあ!とワクワクして電車の中で本を開く。

あらすじはこちら。

 

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。 急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。 自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。しかしそのイリーナによって村は焼き払われた。セラフィマは母を撃った狙撃兵とイリーナに仇を取るため、厳しい訓練に耐えて一流の狙撃兵となっていく…

 

イリーマは、セラフィマと同じ様な境遇の少女たちを集めて狙撃兵として育てる教官であった。そして実際に優秀な狙撃兵となっていく彼女たち。

訓練を終えた少女たちは、イリーナを隊長とした小隊となり、戦争の最前線で戦っていく。その時の模写がかなり詳細で鮮明で、自分が本当に現場で少女たちを見ているような気持ちになるほど。

 

そもそも戦争の先にあるものとは何なのだろう。

 

最初は牛すら撃てなかった少女が、人間を撃つようになる。

そしてその仕留めた人数を『スコア』としてカウントする。

『25スコア』を達成すると勲章が与えられる。

”慣れて”しまう人。

”慣れず”にずっと苦しみ続ける人。

敵国の兵士に攻撃され、性的乱暴を受けた後に殺される女性。

何人の女性を乱暴したかを自慢気に話す兵士。

敵を倒すために、囮に使われる子供。

大切な人の死。

 

そんな環境に身を置いている現実。

銃を構え、スコープ越しに敵を見る。位置が定まる。

その瞬間から無の境地に行く。引き金を引く。弾が発射される。相手に命中する。

そして無の境地が終わり現実へ戻ってくる。

極めれば極めるほど圧倒的な虚無感がそこにはある。

その瞬間だけは、現実のことを忘れさせてくれる。

今はただ、何も考えずに敵を撃て。

 

どんな世界でも、『達人になると見える景色はどんなものなんだろう』とよく言うけど、きっとどの世界でもそうゆうことであり、ただひたすらそこに集中するのみということなんだろう。

 

だからこそ大事なのは、作中に登場した伝説の女狙撃兵の話した2つのことなんだろうなと腑に落ちた。

 

今もまだ世界で戦争が行われているけど、その先にあるものとは何なのだろうと思わずにはいられない。

 

作中で、イリーナがセラフィマ始め自分の教え子たちにいうセリフがある。

 

一箇所に留まるな

自分の弾が最後だと思うな

賢いのは自分だけだと思うな

 

この3つって仕事をする上でとても大事なことだなぁと、自分のことに置き換えてぼんやりと思う。

 

面白いという表現ではなく、読んだ後に珍しく自分の中で消化しづらい感情が渦巻くとう珍しい本でした。

 

特に日本は8月には広島・長崎への原爆投下や終戦記念日など戦争に関する事柄がたくさんあるので、読むにはいい機会だと思います。

 

ぜひ手に取って読んでみてください。

 

消化しづらい、言語化しずらいのも相まって、このブログ書き始めてからもう1週間くらい経ってようやくアップ出来ました…笑

 

その間にまた新しい本を読み始めたので、その話はまた今度。